アイテム番号: SCP-2398-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2398-JPはサイト-8141の低脅威物品収容ロッカーに収容されます。実験にはサイト-8141研究班に所属する職員2人以上の許可が必要です。
説明: SCP-2398-JPは異常性を持つ████社製のたわしです。SCP-2398-JPによって磨かれた物体(以下、SCP-2398-JP-A)の表面に接触した生物・物体は、その性質に関わらず凡そ30秒で風化します。SCP-2398-JPのそれ以外の異常性は現在発見されていません。
補遺: 会話記録2398-JP
<記録開始>
戸田博士: それで、君が言ってた「偽造報告書」ってんのはこれのことだね。
無符研究員: はい。画面上の文字が全て「タワシ」によって消された後、即座に本物の報告書に画面遷移するという仕組みです。
戸田博士: [溜息] うーん、何というか、確かに悪くはないんだけど、イマイチ前例の記事との差別化が出来てないっていうか……
無符研究員: 駄目でしたか。
戸田博士: 君さぁ、もうちょっと真面目にやってくんない? 一応君も、上位存在に対抗するための空想科学部門の一員なんだからさぁ。
無符研究員: 申し訳ございません。
戸田博士: んで、正直ねぇ、この報告書の内容じゃあ、投稿しても安定指数が低下して消されるのが関の山だ。どれ、編集フォームを貸してみな。
[無符研究員は椅子から降り、その椅子に戸田博士が座る。]
[戸田博士がデスク上のコンピューターを操作し、報告書を作成し始める。]
<記録終了>
アイテム番号: SCP-2398-JP
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-2398-JPには、財団空想科学部門によって作成された報告書であるSCP-2398-JP-Fが割り当てられます。
説明: SCP-2398-JPは財団データベース上の報告書スロット、"SCP-2398-JP"そのものに対する指定です。SCP-2398-JPに対する
上位存在によるあらゆる操作は無力化され、上位存在により登録された報告書は例外なく
安定指数の低下により削除されます。逆に、下位存在によるSCP-2398-JPへの書き換えは例外なく成功し、その際にSCP-2398-JPに登録された報告書は上位存在による閲覧が可能となります。このため、SCP-2398-JPは財団と上位存在の通信のために利用可能であると判断されました。
補遺: 結局のところ、我々が伝えたいこと
上位存在の皆様、ここまで閲覧してどのように感じたでしょうか。「つまらねえよ」、「
2995-JPの二番煎じじゃねーの?」などと感じ、低評価ボタンを押しかけたかも知れません。実際その通りです。もし私が上位存在だとしても同じような感想を思っていたことでしょう。
しかし、このようなクソみたいな報告書が作成されたのにはキチンとした訳があるのです。我々は上位存在に関する研究の過程で、"マジックアイテム"という利便性の高い機械・道具などの物品を発見しました。しかし、そのようなものは201█年以降には一切出現しなくなっていること、それと同時に危険性が極端に高いアノマリー(Apollyonクラスのものなど)が急激に増殖し始めたことが近年判明しました。これが上位存在の意向によるものだとするなら、非常に嘆かわしいことです。
2022/02/06、我々空想科学部門は上位存在に唯一影響を受けないスポット、SCP-2398-JPを発見しました。そして、その唯一無二の貴重なスロットを利用して、この報告書を作成したのです。何のためにそんなことをしたのか。それは、ここまで読んだ皆さんならもうおわかりでしょう。
上位存在の皆様、どうか
マジックアイテムを書いて下さい。そして、財団世界に希望をもたらして下さい。以上です。
戸田博士 空想科学部門日本支部