SCP-𝕐

(以前はSCP-����)

オブジェクトクラス: Euclid

あらゆる数詞、序数詞、または他の単数で有限の値を表す単語は、このアノマリーと関係するいかなる文書中でも使用してはなりません。SCP-𝕐はいかなる数値による指定も割り当てられてはならず、それは撹乱・リスククラスを含む目録化の目的においても同様です。これには数字による標準的分類も含まれるため、よって「黒板太字の大文字Y」(𝕐)というユニコードの文字で置換されています。

このアノマリーについての情報は、RGU-𝕐システムと呼ばれる、この目的のために特別に構築された非数値コーディングシステムおよびレンダリングエンジンを利用するよう構築された仮想ソフトウェアボックス内に保存する必要があります。このシステムは、代替テキストや非テキスト的手法による収容を専門とする財団情報災害収容サイト-♃に設備されます。

社会におけるSCP-𝕐-Aの非実在に関する知識は監視されます。SCP-𝕐-Aの非実在を発見した人物に対しては記憶処理を施す必要があります。ミーム的文書阻害子("ミプサム")は発見された矛盾を隠蔽するために利用することが可能です。

地球の自転とほぼ同じ期間内に、RGU-𝕐システムは作動される必要があります。このシステムは予測可能な将来、人類によって何らかの目的に利用される可能性が統計的にありえないほど充分に大きな値の乱数を生成します。そののちその数はこの収容ファイルの末尾に追加されます。

「給餌」せずに数日経過した場合、SCP-𝕐は無作為に数を消費し、結果として金融、コンピューティング、科学の数学関連分野への破滅的影響をもたらす可能性があります。

事実上、この収容ファイルを保護する手順はSCP-𝕐を収容する手順と同じです。

SCP-𝕐は数学的な数の有限集合です。SCP-𝕐の最も正確な定義は大まかに「存在しない全ての数」とすることができます。"

SCP-𝕐の存在は本質的に基底現実と結びついています。SCP-𝕐の異常影響は何らかの値の数がそれと関連付けられたときに発生します。数がSCP-𝕐に曝露した場合、その数は当該集合に追加され、存在することをやめます。存在することをやめた数を処理、表記、そして概念化することは不可能です。この欠落した数は、人間の意識が大抵無意識にデータの欠落を埋めているため、容易に見落とされます。しかし、欠落した数の発見は精神的緊張をもたらすため、可能であれば避けられるべきです。

SCP-𝕐の他のアノマリーとの関係性は現在調査中です。

SCP-𝕐への曝露の影響には、非公式および公式の試験において発見されたように、いくつかの制約があるように思われます。

  • 数を表すためにgといった非数値の記号を付与した場合、SCP-𝕐はやはりその背後にある値には影響を与えますが、その記号自体は影響を受けません。
  • SCP-𝕐は、対象となる数の個々の桁に対してではなく、その数全体に対して影響を与えます。例えば、数桁の数であるABCD がSCP-𝕐に影響を受けたとき、ABCDのみが存在することをやめ、それぞれの桁のA、B、C、Dは影響を受けません。

SCP-𝕐は最初に、ジョージア州アトランタで夏季オリンピックが開催された年に、著名な数学者である███████ ███によって理論化されました。カルガリー大学の数学科で配布された数学論文で、███博士は以下のように理論化しています。

この宇宙は、物理法則と数学演算で表される法則に従っている。あらゆる可算のものの集合があり、エンパイアステートビルの原子数や波が岸にぶつかる間の期間などが含まれている。もしこのような存在するものの可算集合が無限個存在するとすれば、それにより、存在しないものの可算集合が存在するとの推論が支持される。

今までのところ、この理論や以降の███博士の研究が続いてのSCP-𝕐の発生をもたらしたかどうかは確認されていませんが、大学内の工作員が後にこの異常な集合とその影響を発見し、収容プロトコルを作成しました。

注

収容の間、非常に少量の数がSCP-𝕐に影響を受けました。総数は不明です。「SCP-𝕐-A」セクションを参照してください。

試験手順は以下の通りです。

  • 莫大な桁の、将来にわたって実用する可能性が天文学的に低い数を、RGU-𝕐システムに要求する
  • 分数や小数であること、あるいは特定の約数を持つといった確実な特性を持たせるため、その数を変数で増減する
  • その新たな数を通常はgを用いて小文字アルファベットに指定する
  • RGU-𝕐が、その数を外部のテキストファイルに書き込むと同時にSCP-𝕐の収容ファイルのメタデータに追加する(「給餌する」)ことを可能にする
  • SCP-𝕐の影響であるデータの消滅が起きているか外部のファイルを照会する
初ログ

試験ログの読込中…

入力: gは無変更の数。gをSCP-𝕐に給餌する。

結果: 全データの消滅が確認された。gは存在することをやめた。

研究者注: 基本的な結果だ。

次ログ

入力: 特定の数ggの桁の直後に別の数hhの桁を続け、結合した数gghhにする。gghhをSCP-𝕐に給餌する。小さいほうの数はSCP-𝕐に給餌しない。

結果: 部分的なデータの消滅が確認された。gghhは存在することをやめた。ggとhhは影響を受けなかった。

研究者注: 構成する桁は影響を受けないと考えて良いだろう。安心だな。

次ログ

入力: gの末尾に"th(番目)"を加えて順序数にする。goをSCP-𝕐に給餌する。

結果: 全データの消滅が確認された。gは存在することをやめた。

研究者注: 結果は、基数性より数の値に関係していると思われる。

次ログ

入力: gは数を使わずに数字ではない語を用いることで記述される。その莫大な長さの記述をSCP-𝕐に給餌する。

結果: データの消滅は確認されなかった。

研究者注: 充分な非数値情報によって記述した数を使用した場合は、SCP-𝕐は影響を与えないようだ。この収容ファイルの完成に使えるな。

次ログ

入力: 名字が比較的小さい値の数の個人名をSCP-𝕐に給餌する。

結果: 試験は行われなかった

研究者注: 私は、SCP-𝕐は数の単語が数値を表すために使われている場合とそうでない場合を区別することができると理論立てた。だが、我々は試してみるわけにはいかない。

次ログ

入力: Dクラス職員が巨大数gに指定される。D-gは、数時間続く録音によって新たな番号を知らされる。gをSCP-𝕐に給餌する。

結果: 全データの消滅が確認された。gは存在することをやめた。D-gは暴力的な█████████を受けた。

研究者注: 試験はさらなる通知があるまで凍結される。

END LOG

研究者: トレイボン・ブックハノン博士

SCP-𝕐の初期収容の間、財団工作員はこのアノマリーを通常のアイテム指定の����に割り当てました。これは番号を収容ファイルに書き込まない限り、番号の指定は安全だろうと考えたためでした。彼は誤っていました。

この数が存在することをやめたことにより、広範なインフラが世界規模で短期間停止しました。財団デジタル対応チームは、すぐに多くのシステムの機能性を回復することができました。……いわば、ある数を加えることにより全て切り上げや切り下げをして丸め込みを行うようなアルゴリズムを作成することによって、コンピュータがその数の欠落を検知しないようにしました。実際の処理はもっと信じられないほど複雑ですが、私は詳細に触れSCP-𝕐を他の数と結びつけるリスクを冒すことに躊躇があります。

それは有用ですが、不完全な解決策です。����は欠落しており、毎日ホールにパッチを当てるこのアルゴリズムの試みは世界中のコンピュータシステムにシステムエラーと数値丸めの問題を引き起こしています。電卓から携帯から核兵器サイロまであらゆるところにおいてのクラッシュや機能不全です。この数の消滅の事後処理には数学者とデジタルエンジニアによるチームの無休の仕事が必要です。

もしSCP-𝕐が再度収容違反することがあるならば、我々は世界のインフラが持ちこたえられるかどうかまったくもって分かりません。